京都御所周辺…梨木神社



京都御苑東側にある「梨木神社」です。

社殿の修復等の資金集めに苦慮。

2013(平成25)年、参道を含む土地をマンション開発業者に60年の定期借地権で貸し、その賃貸料を修復費用に充てることとしましたが、その計画が神社本庁の承認を得られなかったことから、神社本庁を離脱したと書いてありました。

鳥居奥にあるのはそのマンションです。

以前に訪れた時は違和感があったのですが、事情を知れば、神社を維持していくのも大変!と思った次第です。

ご祭神は公家出身の

三條実萬(さんじょうさねつむ 1802〜1859)

三條実美(さんじょうさねとみ 1837〜1891・明治24 内大臣)

が祀られています

父親の実萬(さねつむ)公は、当時、「今天神(=菅原道真の生まれ変わり)」と人々から尊敬され、安政の大獄(日米修好通商条約を締結し、徳川家茂を将軍に決めるなどの政策を断行した井伊直弼に反発する者たちを次々に処罰した事件)の折、幕府より圧迫を受けて一乗寺に幽居(俗世間を避け引きこもって静かに暮らすこと)。

その翌年、58歳で死去します。

実萬の正室の子で3男である実美(さねとみ)公は朝廷の権威を回復し、攘夷決行の中心的人物。

一旦は長州や筑後に撤退を余儀なくされますが、その後、明治新政府では太政大臣となり明治天皇を支えました。



湯川秀樹(ゆかわひでき 1907〜1981)氏は日本人として、1949(昭和24)年に初めてノーベル物理学賞を受賞。

湯川博士の

「千年の昔の園も かくやありし、木の下かげにみだれさく萩」

の石碑が建っていました。



梨木神社は萩で有名です。

萩の花は古くから日本人に親しまれ、「万葉集」に登場する花の中で最もよく詠まれています(秋萩と牡鹿のペアの歌が多い)。

9月には「萩まつり」も行われ、期間中は俳句大会も開催されています。



また、紫式部邸宅跡の「廬山寺」が近くにあり、この近辺は貴族の別荘が多く建ち並ぶあたりと源氏物語では設定されています。



「愛の木」…桂(かつら)の木です。木の葉がハート形になっているために名付けられたとか。



京都三名水のひとつ、「染井(そめい)」です。

9世紀後半、藤原良房の娘・明子(あきらけいこ 829〜900 母は嵯峨天皇皇女・源潔姫であり、第55代文徳天皇の女御 第56清和天皇の御母)の里御所跡でした。

また、宮中御用の染所として、染井の水が用いられたといわれています。

京都三名水は他に醒ヶ井(佐女牛井 さめがい 五条堀川下ル)、懸井(あがたい 京都御苑西北)がありましたが、染井のみ1000年以上美味しい水を提供してくれています。

傍らの注意書きには1人5リットルまで…維持費として100円をお賽銭にとありました。

少し頂きましたがまろやかな味でした。

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